農地法と農業への参入

農業への新規参入の検討ポイント-農地の所有とリース

すでに事業を行っている企業が新たな事業として農業に参入することを検討することがあります。その理由としては、外食や小売りといった既存事業とのシナジーを期待する場合もあれば、既存事業の成長に限界があるため、全く異なる分野である農業に参入しようとすることもあるでしょう。また、既存事業は順調であっても、今後の環境の変化などに対応するために、事業分野を増やすために農業に参入しようとすることもあると思います。そのほかにも、SDGsへの注目の高まりから、人々の食を確保するために農業に参入することを考えている企業もあるかもしれません。

このように、企業が農業に新規参入をする目的はさまざまであるものの、実際に農業に参入するためには検討すべきポイントが数多くあります。そこで、ここでは最初の関門ともいえる「農地を所有するか、リースするか」について考えていきたいと思います。

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全面コンクリート張り農地の“農地”化

農業の人手不足対策、生産性向上のためにスマート農業をはじめとした機械化、ロボット化を進めることが重要であることは、もはや共通認識といってもよい状況です。機械化、ロボット化を進めるために農地の底面を全面コンクリート張りにした場合、これまでの取り扱いではその土地は農地法における“農地”ではないものと扱われ、農地である場合の税務面のメリットなどを受けることができなくなっていました。

このような現状を変えるため、今年5月11日に農地法を改正する法律が成立し、全面コンクリート張りの農業ハウスなども、引き続き“農地”として取り扱われることになりました。

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農地所有適格法人と農業への参入

農作業

農業に新規参入しようとする場合、農地の取得が欠かせません。農地取得の方法としては、農地の購入や賃借する方法があります。

しかし、農地については農地法などの法律によって、自由に売買や賃借ができないようになっています。(詳しくは、“農地の利用と農地法”をご覧ください。)

そして、個人や法人が農地を取得する場合には、以下のような条件を満たすことが必要です。

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農地の利用と農地法

家を建てるために土地が必要となった場合、土地所有者から土地を買ったり、借りたりすることになりますが、その売買、賃貸について国や地方自治体の許可を取得する必要はありません。したがって、売主や貸主と合意さえすれば自由に取引ができます。

しかし、農地に関しては全く状況が異なっています。それは、農地法が農地の利用について規制しているためです。

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